欠かせない英単語の正しい勉強法


  


出典「e-note」さま

あなたのイメージする「英会話ができる人」とは、どんな人ですか?
外国人と挨拶以上の会話がよどみなくできる人。
時にはジョークも織り交ぜて、肩なんかすくめてみせたりして。
つまり日常会話ができるレベルということでしょうか。
巷に溢れているこの「日常会話レベル」、簡単そうに聞こえますが実は様々なスキルが必要です。
基本的なものだけでも

単語力
文法力
リスニング力
スピーキング力
コミュニケーション能力
と、5つもあります。

私も初めは漠然と「英会話できるようになりたい」と思い、この5つ全部に手を出して、結局すべてが中途半端になっていました。
自分で進歩が感じられない勉強は長続きしません。
まずは一番必要なスキルから身に付け、徐々にステップアップすることが結局は英会話上達の近道となります。
一度は英会話に挫折した私が、実際に行い上達した方法をご紹介します。

初心者の英語教材・勉強法は継続し易いことこそが一番大事

これが、英語上達の早道です。

過去、英会話に挫折した私が考える初心者が英語を勉強するときに最優先すべきことは「継続出来る勉強方法」を見つけることです。
英語を勉強しよう!
と決意して参考書を探したり、どのオンライン英会話サービスに登録しようかな?

と探しているときが最もモチベーションが高くなっている状態になりがちですよね。
いざ勉強をはじめると覚えることもたくさんあるし、覚えたつもりでもすぐに忘れてしまう。

そんな状態に嫌気がさして、段々とやる気を失い上達の前に挫折してしまう。
大人の勉強のあるあるネタですよね。
オンライン英会話でネイティブの先生に担当してもらったとしても継続出来なくてはお金の無駄になってしまいます。
そこでオススメなのが通勤や会社の昼休みなどのスキマ時間や就寝前のリラックスタイムなど、いつでもどこでも英語学習が出来る環境を作ることです。


次からは挫折を乗り越えて英会話上達方法を紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
1.初心者ほど独学から始めた方がいい

「英会話ができるようになりたい」、かっこいい自分の姿をイメージした私がまずしたことは、外国人のいる英会話カフェに行くことでした。
他にも英会話教室に通ったり、オンライン英会話の授業を受けてみたり、話す機会はいろいろありますよね。目標が外国人と話すことですから、上達の為に直接彼らと話ことは理に適っている感じがします。
しかし先ほど言ったように、流暢な英会話を成立させるためには5つのスキルが必要です。
そのうちの1つも育っていないのに、いきなり外国人との会話に挑戦するのはヘルメットもバットも持たずに野球の試合に挑むようなもの。
飛んできた球をただ避けることしかできません。
実際その時の私は、人生で始めて向き合う外国人の前で極度に緊張していました。相手が何か質問してきます。
「ヒューアウー?」頭が真っ白になる私。「ヒュ、ヒューアユー?」とりあえず聞こえたままにオウム返ししました。
相手がもう一度、ゆっくり言います。
「ハウ アー ユー?」
初対面で「How are you」は中学生でも分かる英語!恥ずかしさで心臓のドキドキが聞こえました…。
必死に「ア、アイム ファイン センキュー。ア…アンド ユー?」と返しました。まるで英語教科書の音読です。
しかし話ができたのはここまで。あとは何を言われてもわからず、こちらから聞いてみたくても言葉が出てこない。お互いとりあえずニコニコしながら見つめ合う、一見穏やかですが苦痛の時間が流れました。
みなさんがこんな挫折体験をして当時の私のように自信をなくさないために、独学でできるスキルアップの方法をお教えします。

2.一番重要なスキルを知るための4つの質問

英会話勉強を始めるにあたってまず鍛えなければいけないことは、なんだ思いますか。
中学・高校と習ったもののすっかり忘れてしまった単語や文法でしょうか。それとも全然自信が持てない発音でしょうか。
答えをお伝えする前に、こんなシチュエーションをイメージしてみてください。

1.家族や友人に日本語で何か聞かれた時、答えは頭に浮かんでいるのに言葉がぱっと出てこない。そんな時どうしますか。
答えることを諦めますか。それとも他の言葉に言い換えてなんとか伝えようとしますか。

2.あなたは誰かと日本語で会話する時、文法的に正しく話そうと意識していますか。
友人や家族とは単語だけで会話が成立していたりしませんか?

3.あなたは日本語ペラペラのネイティブスピーカーです。道で外国人に日本語で話しかけられましたが、その日本語はとても訛っています。
果たして、全然理解できないなんてことがあるでしょうか。
では最後に、これはどうでしょう。

4.道で外国人に英語で話しかけられました。でも相手の質問が何度聞いても聞き取れません。質問の意味すらわからないのです。
この状況で、会話が続けられますか。

3.リスニング力がないと会話が成り立たない

もうお分かりですよね。
5つのスキルのうち、一番欠けて困るのがリスニング力です。
英会話カフェの体験で痛感しました。
少なくとも相手が何を言っているのかわかれば、教科書の音読だろうが何だろうが知識を総動員して何か答えることはできます。
逆に理解できなければ、どんなに単語や文法を知っていても使うことすらできません。
このリスニング力、日本人が今まで全く鍛えてこなかった部分でもあります。
中学・高校の英語学習は単語や文法中心ですし、普段生活していて英語を聞く機会なんてそうないですよね。
それなのに英会話の勉強法でよく言われるのは「耳が慣れるまで聞け」ということ。
でも、耳が慣れるって具体的にどういうこと?いったいどの程度で「耳が慣れた」ことになるか分からなかった私は、とりあえず思いついたことを試してみました。

3-1.リスニング力の確実な鍛え方とは

以下はリスニング力の上達のために、私が実際に試した方法です。
NHKラジオ英会話を毎日聞く
CNNなど英語ニュースを聞き流す
日本語字幕なしで映画を見る
他にも普段聞かない洋楽を聞いてみたり、とにかく英語を聞く時間を増やしました。
しかし、なかなか思うような効果は得られませんでした。
1ヶ月ほど試した結果、英語に耳が慣れるためにはある条件が必要だと気づいたのです。

3-2.洋楽や映画好きが英語ペラペラになれるわけではない
洋楽が大好きで毎日聞いている。ハリウッド映画や海外ドラマが好きで毎晩見ている。
そういう人たちの生活は、そうじゃない人よりはるかに耳から入る英語の量が多いです。
そんな生活を続けていれば自然とリスニング力も向上するのでしょうか。
答えはNOです。
私はほぼ1日中英会話しか聞かない日々を過ごしましたが、意味がわからない言葉は音として聞き流してしまうため、残念ながら効果はありませんでした。

4.自分に合った会話教材を探そう

リスニング力を確実にアップさせるためには、いきなり高度な英語からではなく、自分のレベルにあった英語を聞いた方がいい。私はやっとそのことに気づきました。
難しいアメリカのニュースを毎日聞いても、魔法のように突然理解できるようにはならないのです。
その点、NHKのラジオ講座はレベル別に分かれておりテキストもお手頃価格でよさそうですが、せっかく毎日英語を聞く気になったなら、反復の力を使ってもっと効率よくレベルアップできる方法があります。

4-1.まずは1冊だけテキストを選ぶ

本屋に行くと、棚をいくつも埋めるほどの英会話教材の本が置いてあります。
「たった7日で話せるようになる!」と書かれたお手軽な本に飛びつきそうになりますが、ほんとうに近道したいなら、こんなテキストを選びましょう。
1フレーズごとではなく、まとまった会話(ダイアログ)が書かれている
その会話が収録されたCDがついている
英文にカタカナで読み方が書かれていない
会話の日本語訳だけでなく、単語の意味や簡単な文法解説もあればなお良し
そしてこれが一番重要。
今の自分が読んで、いくつかわからない単語はあるが全体の意味がつかめるレベルのもの
簡単すぎても、難しすぎてもダメです。あくまで今の自分よりちょっと上、くらいのものを選びましょう。
レベルが合っていても分厚すぎて、最後までやり通せなさそうな本も避けた方がいいでしょう。
また、英文に親切にもカタカナで読み方が書かれているものもオススメしません。
カタカナ読みは、日本人英語から抜け出せない一番の原因です。正しい発音は耳から覚える癖をつけましょう。
あとはレイアウトの好き嫌いで選んだって構いません。
せっかくお金を出して買うのですから、きっちり最後まで使い切りたいですよね。


4-2.スキマ時間をフル活用する英会話上達法
テキストが決まったら、さっそく英会話勉強開始です。
といっても最初から机に座ってテキストを読む必要はありません。
まず通勤などのスキマ時間を利用して、CDを「意味を考えながら」聞きましょう。ネットなど、他のことをしながら聞き流すのではだめです。
1つのダイアログを集中して聞き、何を話してるか理解しようとするのです。1つの会話は長くても3、4分でしょうから、移動などの短い時間でできます。私は電車の中でいつも聞いていました。
集中して聞いた結果、わからない単語が出てきても大丈夫です。会話全体の意味がなんとなく掴めたと思ったら、次のダイアログへ移りましょう。
聞き続けているうちにどうしても気になる単語が出てきたら、テキストを開いてみるなりネットで検索するなりして意味を確認すればいいのです。
詳しく辞書をひく必要もありません。その文脈の中でなんと言っているかが分かれば、それでOKです。

4-3.耳が慣れるということを実感する英会話勉強法
ダイアログが進むにつれて少し難しくなってきたら、一番最初の会話にもどって聞き直してもいいでしょう。
繰り返し理解できる英語を聞くことで、やがて難しい会話でも、聞き取った単語の意味をつなげて理解できるようになります。
この「完璧ではないけれど意味のわかる部分を拾って全体を理解する」、これが俗に言う耳が慣れるという状態です。
留学すると耳が慣れて良いというのは、何も外国に住むと急に全部の英語が完璧に聞き取れるという意味ではありません。
生活に必要な会話を積み上げていく中で、相手の言ってることが100%理解できなくても、わかる単語をつなぎ合わせて大体の意味がつかめるようになるのです。

5.文法本は辞書のように使う英会話上達法
内容が難しくなってくると、どこかで単語はわかるのに意味がわからない文というのが出てきます。
その場合は文法が理解できていない可能性があるので、元のテキストで確認しましょう。
私は家の片隅で眠っていた高校時代の文法本を引っ張り出して、構文の意味を確認したりしました。
今はネットでも簡単に検索できますし、便利ですね。
初心者向けの会話ならそれほど複雑な文法は使われていません。
実際にネイティヴの外国人も、日常会話には簡単な文法だけを使っています。
ここでいう簡単な文法とは、中学・高校で習ったレベルのことです。
ですから完全にわからないというよりも、見たことある構文だけど意味を忘れてしまった…という場合が多いでしょう。
英語学習というと学生時代を思い出して単語の暗記や文法の勉強から始める人がいますが、それらはすでに6年間習ってきていることです。
その中で忘れてしまったものだけを本やネットで調べて思い出せばいいのです。分厚い文法本は頭からごりごりやるのではなく、辞書がわりにするのが効率的な使い方です

6.耳が慣れたら次にすること

リスニング力がアップし、相手の言っていることが聞き取れるようになったら、それだけでスムーズに会話できるでしょうか。
英会話にはもう一つ、必須のスキルがあります。
それはスピーキング力です。ではスピーキングに必要なものって何でしょう。

発音のきれいさ
イントネーションの正確さ
質問に対し適切なフレーズが作れる文章構成力
単語を素早く思い出せる記憶力
確かに全部間違いではありません。
しかし本当にスムーズな会話のためには、もっと大切な要素があります。

6-1.英会話には反射神経が必要
例えば「What is your hobby?」(あなたの趣味はなんですか)と聞かれたので、それに答えたい。
ええっと…確かこの場合は、私の趣味、だから「My…My hobby…is…」あれ、旅行ってなんだっけ。
「is…is…ええと…travel?」
答えというか質問のようになってしまっています。これではスムーズな会話には程遠いですが、私は最初のころ自信がなくてよくこの「答え半分質問半分」の英語を話していました。
英会話にはもちろん記憶力や正しい文章構成能力も必要です。
しかしせっかく覚えた単語を思い出すのに1分も2分もかかっていては、話は進みません。
スピーキング力を高める上で必須の要素、それは飛んできた質問をすぐに打ち返せる瞬発力です。
スポーツのような反射神経が必要になってきます。

6-2.会話のスピードアップ法
自然なスピードで話すためには単語1つ1つを考えながら話していても追いつきません。
会話に慣れるために毎日でも外国人と話したいところですが、ここは日本。
外国人と出会うにも学校に通うにもお金や時間がかかります。
何とか手っ取り早く自分のスピーキング力を上達させる方法はないだろうか。
いろいろ調べた結果、最初に選んだテキストを使って、会話のスピードアップと同時に正確なイントネーションや発音も身につけられるお得な方法を発見しました。
その上達方法とは、

大切な英会話教材の【CD】を聞く

流れている会話文をそのまま声に出して繰り返す
これだけです。
ポイントは1文が終わるまで待つのではなく、CDがしゃべりだしたらその音声に自分の声を重ねて追いかけながら話すことです。
これはシャドーイングといって、自然なイントネーションや発音を身につけるのに有効な方法です。
耳で聞いて十分理解している文でも、いざ同じスピードで話すとなるとすごく速く感じます。
どうしても言いづらい文は、一度ゆっくり言う練習をしてからまたCDのスピードに挑戦すると上手くいきます。
私は最初CDが速すぎて難しかったので、まずテキストを音読して、舌が回るようになってから改めてシャドーイングしていました。
慣れると最初の音読は必要なくなり、いきなりCDに合わせても追いつけるようになります。上達のポイントは役者になったつもりで、CDの話し方や発音をできるだけ真似ることです。
始めは本当に舌が回らずイライラするかもしれませんが、続けていくと少しずつ長い文が話せるようになるので、楽しいですよ。


7.反復の力とテキストを信じよう
私はこのリスニングとシャドーイングを1ヶ月続けた結果、テキストの会話を全部覚えてしまいました。
何も覚えようと思って毎日テキストを睨んでいたわけではありません。
買ったテキストなら、まずは信じて1冊やりきってみましょう。
どんなに薄いテキストでも1冊終わらせることができたら、まるで分厚い本を読み終えたような達成感と、自分への自信が得られるはずです。

8.いよいよ練習試合に出かけよう

さあ、テキストの内容が身につき、シャドーイングも上達してきたら、そろそろ練習試合をしてみませんか。
今までの自主練がどれだけ実践で使えるか、試してみる時期です。
最初の練習試合には英会話学校やオンライン英会話の無料体験レッスンで十分です。

8.負けないための試合準備

体験レッスンの前に時間があったら少し準備をしましょう。
初対面の外国人と何を話せばいいと思いますか。
そうですね、自己紹介です。

話す内容がわかっているのであれば、準備していった方がより実りのある英会話勉強ができます。
私はあらかじめ職業や趣味、英語を勉強したい理由などが話せるように単語を調べ、作文していきました。
直前にはそれらをナチュラルなスピードで言えるように音読もしました。
どんなに有名なスポーツ選手でも、試合前の準備は欠かせません。
作文しながら「ここはなんて言うんだろう」「本当にこの言い方で大丈夫かな…」と不安になりましたが、間違っていたら教師が直してくれるだろう、と開き直ってどんどん言いたいことを書いていきました。
そして実際会話してみて、やはりスムーズにはいかずノートを見ながら話す部分もありましたが、その場でとっさに作った文章より、準備していった文章を直される方が後々まで記憶に残ることに気づきました。
ですから、時間がある人は少しでもいいので作文していきましょう。
うまく文が作れないならテキストに出ている例文をつなぎ合わせて、自分の情報に入れ替えるだけでも十分です。

9.まとめ
いかがでしたでしょうか。
「英会話勉強を始めたいけれど何から取り組めばいいかかわからない」という人のために、私が英会話初心者だったころに効果があった英会話勉強法をご紹介しました。
基本的なリスニング力とスピーキング力が身についたら、あとは場数をこなして本番に慣れていってください。
私は英会話熱が高まるあまり、この状態からいきなりオーストラリアに短期留学しました。
オーストラリア着の飛行機が遅れ、シドニーでの乗り換え便に乗れず、さらに「乗り換え便に乗れない」ということを空港で誰に何て言えばいいか分からず半泣きになったのも今ではいい思い出です。
最近では海外旅行の際に飛行機が遅れても、さっさとカウンターに行って振替便の手配とおまけのランチクーポンももらえるようになりました。
私のようにいきなり留学しなくても、場数をこなすため英会話学校に行ったり、もっと安い方法なら月額で毎日クラスが受けられるオンライン英会話や、好きな時に行ける英会話カフェもあります。
本番を重ねる中で、最初にご紹介した5つのスキルのうち自分が得意なもの、逆に足りないものがどれか分かってくるでしょう。
得意なところはさらに伸ばし、足りないところは補強するよう勉強を進めていってください。
最終的には5つのスキルをグラフ化した時、きれいな五角形になることが理想です。
忘れないでいただきたいのは、外国人と話す時間は単なる練習ではなく試合だ、ということです。
週に1度、試合だけをしていても早い上達は見込めません。
スポーツと同じく普段の基礎練習、試合前の準備を行って始めて勝算が上がるのです。
今までいろんな勉強法を見てきたけれど結局何をすればいいかわからないという人は、なんでもいいのでとにかくやってみましょう。
まずは本屋に行って、1冊の厳選したテキスト選びからスタートです。
あなたが考えて選び、そして最後までやりきると決意したテキストなら、それが正解です。
あとは自分を信じてやるのみ。

結果は必ずついてきますよ。



私はこのリスニングとシャドーイングを1ヶ月続けた結果、テキストの会話を全部覚えてしまいました。
何も覚えようと思って毎日テキストを睨んでいたわけではありません。ただ毎日必ず集中してリスニングする時間を持ち、駅のホームなどでまわりに誰もいない時に小声でシャドーイングをしていました。
おかげで、テキストに載っていた基本会話パターン、つまり「こう聞かれたらこう答える」というのが文章まるごと頭の中に入ったのです。さらにシャドーイング効果で、話すときもスムーズに言えるようになりました。
これが反復の力です。
NHKのラジオ講座より1冊のテキストを使った方がいいと言いましたが、ラジオ講座は毎月内容が変わって新鮮ではあるのですが、どんどん新しいことが入ってくるので前に覚えたことが定着しづらいという面があります。
せっかく教材を使って英会話を勉強する気になったのなら、新鮮さを求めてあれもこれもやってみるより、まず1冊のテキストを覚えるくらい繰り返す方が確実に身につきます。
初めのテキスト選びは大切です。そして自分が時間をかけ悩んで買ったテキストなら、まずは信じて1冊やりきってみましょう。
どんなに薄いテキストでも1冊終わらせることができたら、まるで分厚い本を読み終えたような達成感と、自分への自信が得られるはずです。

8.いよいよ練習試合に出かけよう

さあ、テキストの内容が身につき、シャドーイングも上達してきたら、そろそろ練習試合をしてみませんか。
今までの自主練がどれだけ実践で使えるか、試してみる時期です。
最初の練習試合には英会話学校やオンライン英会話の無料体験レッスンで十分です。

8.負けないための試合準備

体験レッスンの前に時間があったら少し準備をしましょう。
初対面の外国人と何を話せばいいと思いますか。
そうですね、自己紹介です。
話す内容がわかっているのであれば、準備していった方がより実りのある会話ができます。
私はあらかじめ職業や趣味、英語を勉強したい理由などが話せるように単語を調べ、作文していきました。
直前にはそれらをナチュラルなスピードで言えるように音読もしました。

9.まとめ
いかがでしたでしょうか。
「英会話勉強を始めたいけれど何から取り組めばいいかかわからない」という人のために、私が話初心者だったころに効果があった勉強法をご紹介しました。
基本的なリスニング力とスピーキング力が身についたら、あとは場数をこなして本番に慣れていってください。
私は英会話勉強熱が高まるあまり、この状態からいきなりオーストラリアに短期留学しました。
オーストラリア着の飛行機が遅れ、シドニーでの乗り換え便に乗れず、さらに「乗り換え便に乗れない」ということを空港で誰に何て言えばいいか分からず半泣きになったのも今ではいい思い出です。
最近では海外旅行の際に飛行機が遅れても、さっさとカウンターに行って振替便の手配とおまけのランチクーポンももらえるようになりました。
私のようにいきなり留学しなくても、場数をこなすため英会話学校に行ったり、もっと安い方法なら月額で毎日クラスが受けられるオンライン英会話や、好きな時に行ける英会話カフェもあります。
本番を重ねる中で、最初にご紹介した5つのスキルのうち自分が得意なもの、逆に足りないものがどれか分かってくるでしょう。
得意なところはさらに伸ばし、足りないところは補強するよう勉強を進めていってください。
最終的には5つのスキルをグラフ化した時、きれいな五角形になることが理想です。
忘れないでいただきたいのは、外国人と話す時間は単なる練習ではなく試合だ、ということです。週に1度、試合だけをしていても早い上達は見込めません。
スポーツと同じく普段の基礎練習、試合前の準備を行って始めて勝算が上がるのです。
今までいろんな勉強法を見てきたけれど結局何をすればいいかわからないという人は、なんでもいいのでとにかくやってみましょう。
まずは本屋に行って、1冊の厳選したテキスト選びからスタートです。
あなたが考えて選び、そして最後までやりきると決意したテキストなら、それが正解です。
あとは自分を信じてやるのみ。結果は必ずついてきますよ。

ですが、会話の頭っから「アイ・アム・ア~」などと和製英語で通してしまっていると、さすがに例の「73分の1」発音でゴリ押ししているような感じがして、なんとも無粋な印象を与えます。

一生懸命伝えようと言う気持ちがあっても、意志が疎通しない場合だってあるのです。

発送を転換してみます。

ネイティブスピーカーが日本語を英語のような発音で話して「これが日本語だ」と言うような素振りでいたら、やはり日本人としては苦笑いしながら「ちょっと待ってください」と言いたくなりますよね。

これと同じようなことが日本人のカタカナ英語にも言えるのです。

ではどうやってネイティブの発音に近づけていけばいいのでしょうか?

王道はやはり、辞書の英単語の隣に併記されている発音記号を覚えていく、というものになるでしょう。

英単語ごとに地道に発音記号を覚え、反復し、練習することで、日本人の使うカタカナ英語ではない、ネイティブ発音の英語に近づけて行くことができます。

しかし、この方法には難点もあります。

それは時間がかかること。

高校卒業程度の日本人が習得していると想定される英単語の語彙は4000文字程度ですが、その4000文字すべての発音記号を覚えるというのはなかなかに気が遠くなる作業でしょう。

敢えてやる人がいたらそれは特殊な技術の一つとして英語を極めたいマニアの粋に達するものとも言えます。

そうなると、もっと簡単にできるコツはないか、という話になります。

ここでは敢えて筆者は「ある」と断言させていただきます。

その方法とは端的に言ってしまえば「真似る」です。



とにかく音読で真似をする

一言に「真似る」と言っても漠然としすぎてわかりづらいかと思いますが、より簡単に言うと、誰かが話している英語を真似て自分の中に取り入れていく、という作業です。

そのコツはどこにあるのか。

これは英会話の中ではなく、英語をひたすら音読するというトレーニングの中にあります。

英会話そのものに焦点を当ててしまうと見えづらいことですが、一般的な日本人には英語を英語として受け入れるリソースが不足しています。

これは言い換えると、英語を自分の中で違和感のないものとして受け入れる余裕としてもよいでしょう。

すなわち、英会話が何やら異質なカタカナの集まりであると判断するのではなく、「ああ、いつも通りの言葉だね」と受け入れる素地のことです。

この素地は人間の脳内、海馬の記憶ベース内に作られます。

英語が英語として、カタカナに変換されずそのままスっと理解できるようになるには、日本語と同じように「無意識に英語の発音を理解して使用できる」という状態まで記憶力を高める必要があります。

そのためにするちょっとした練習として最適なのが、音声付きの英語テキストを音読して真似る、というものです。

思考を帰ると、自分が国語の授業や日常的な生活で触れてきた日本語を英語に置き換えていく作業であるとも言えます。

国語の授業では音読をさせられることが多いかと思いますが、それを自分で自分にやらせてみるということです。

「子供が言葉を学ぶ過程を凝縮する」と言う例えのほうがわかりやすいでしょうか。

まずは薄い本、例えばニュースのテキスト化されたものでもかまいませんから、音声を流し、英文を目で追い、そのあとに朗読をする、という、英会話よりも少し密度の濃い「音声トレーニング」をしてみましょう。




シャドーイングこそ発音を鍛える

テキスト音読になれてきたら、今度はシャドーイングです。

シャドーイングとは流される音声を即座に追いかけていく発音練習です。

英語の発音をその場で物真似するというレベルのもので、かなり難易度が高くなります。

いきなり未知のテキストにシャドーイングを試みると失敗するだけですから、まずは今までに音読で使用した教材などを利用してシャドーイングを試みてみましょう。

音声が流れたらすぐにその音声と同じ速度で、同じ発音で、カタカナを使わずに、とにかく真似してみてください。

数ページ分を一日に3回くらい反復すると効果的です。

テキスト音声のシャドーイングに慣れてきたら、次は英語ニュースなどの音声を流し、テキストなしでシャドーイングを試みてみましょう。

今ならYouTubeなどで手軽に英語圏ニュースの動画が手に入りますから、それを利用して見てください。



リズムとテンポに乗ろう

さて、単語の発音が上手になっても、実は単語だけでは英会話の発音は上達しません。

英語には英語独特のリズムがあるからです。

日本語に目線を変えるとわかりやすいのですが、日本語には「七五調」という言葉のリズムがあります。

音が七つと五つで切れる言葉のリズムで会話が組み立てられる法則です。

これと似たようなものも英語には存在していて、それが「フレーズ」のリズムです。
大体英単語にして3から5くらいの塊で一つの句が構成され、その単位ごとに意味ができ、会話が組み立てられていくという流れがあります。
これは音読やシャドーイングをしているとわかるのですが、ネイティブの英会話はこのリズムで音声が区切られています。
例えば日常会話としての挨拶を考えてみましょう。

「Good morning sir, are you fine?」

と言う英文は、それぞれ3単語ごと、3から5の母音で構成されています。

この基本リズムはそのまま英語そのものの発音に直結しています。

どういうことか。カタカナで今の言葉を読み直してみましょう。

「グッドモーニングサー、アーユーファイン?」となりますが、長すぎて英語のリズムとは言えませんし、音の数が増えすぎてしまって発音どころではなくなります。

音読やシャドーイングで元々の英語の発音とリズムに慣れた後だと、この区切りのリズムが自然に身についています。

英語の発音もカタカナの読みから離れ、ネイティブの会話のテンポに即応できる状態にまで高められていることでしょう。

英会話を一つの即興セッションだと考え、それに乗って相手に自分の演技を返していく、まるでカラオケのデュエットに近いものとして意識してみてください。
リズムは七五調ではなく、英語の「フレーズ感」でいきましょう。




おわりに

発音を向上させる英会話勉強法(コツ)について今回は語らせていただきました。

第一にカタカナ発音は世界標準ではないこと(意識改革)、第二に英語の発音を真似ること(音声の記憶をする)、第三にそれを臆せずリズムに乗って実践すること(音声を実際に発音する)、これらが英会話の発音を向上させるコツです。

特に音読やシャドーイングが実践で難しいと感じられると思いますが、一日30分でもいいので、この方法を試してみてください。

劇的に発音力が向上するはずです!




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