石原先生の英語お悩み解決part5


石原真弓先生

「石原真弓先生の英会話質問箱」より。

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(Q21)冠詞が聞こえないのは、どうしてですか?

会話中、冠詞が聞こえないのは、どうしてですか?
(海外 Davidyiさん)



音が連結したり脱落したり、抑揚も付くため、聞こえにくくなります

日本語と比べて英語は、目で見る文字と耳から入ってくる音とのギャップが大きい言語です。

音が連結したり脱落したりと変化することに加え、抑揚も付くため、「強・弱・強」のリズムで発せられる弱い部分が聞こえにくくなります。

特に冠詞(a、an、the)は弱く発音されることが多いため、聞き取りづらくなります。

ネイティブスピーカーはよく、aやanを直前の単語と連結して発音します。

take a bus(バスに乗る)の場合、ゆっくり言うと「テイク・ア・バス」となりますが、速い会話ではtakeとaを連結して「テイカ・バス」と発音するため、「ア」の音がはっきり聞こえません。

theは「その」を強調する必要がない限り、前後の単語の方が強く発せられるため、theが聞き取りにくくなります。私自身、留学していたころ、アメリカ人の友人が言ったLet's hit the road. (さあ行こう)という表現を、Let's hit road. と誤って覚えていた時期があります。hit the roadはhitのtを脱落させて、「ヒッ・ザ・ゥロウド」のように発音しますが、私にはtheが聞こえなかったため、「ヒット・ゥロウド」と言ったのだと勘違いしていました。

聞き取りづらい冠詞を聞き取れるようにするには、スピーキングやリーディングの際の意識付けが必要不可欠です。

単語を一つひとつ区切って発音するのではなく、音を連結したり脱落させたりしてネイティブスピーカーの英語の音に慣れるようにしましょう。

目で見る英語と耳から入ってくる英語のギャップを埋めることで、聞こえにくいものの存在する音に気が付くようになります。

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(Q22)aとanはどう使い分けたら良いですか?

aとanの区別の仕方がよく分かりません。どう使い分けたら良いでしょうか?
(愛媛県 あやかさん)



「子音で始まる名詞の単数形」にはa、「母音で始まる名詞の単数形」にはanを用います。

aやanは「1つの、1人の」など単数を表します。

これらは、数えられる名詞(単数形)の前に付けますが、a 〜となるか、an 〜となるかは、「〜」に来る名詞の最初のアルファベットで区別します。

基本的には、「a+子音で始まる名詞の単数形」「an+母音で始まる名詞の単数形」と表します。

母音とは、「あ、い、う、え、お」、つまり、a、i、u、e、oの5つで、それ以外は全て子音です。

例えば「車1台」はa carです。「友達1人」はa friendです。carのcも、friendのfも子音なので、それぞれaを使います。

いっぽう、「りんご1個」はan appleと表します。「卵1つ」はan eggです。appleのaも、eggのeも母音なので、それぞれanを用います。

1つ注意してほしいことがあります。子音か母音かの区別は、スペリング(つづり)ではなく、発音によって判断する、ということです。

例えば、university(大学)という単語はuで始まっているので、一見、母音で始まる単語と思いがちですが、発音は[ユニヴァ〜スィティ]と[ユ]で始まっているため、「大学1校」はa universityとします(an universityは×)。

いっぽう、NHK program(NHKの番組)はNで始まっているので一見、子音で始まると思いがちですが、NHKの発音は[エヌエイチケイ]と[エ]で始まっているため、「NHKの番組1本」はan NHK programとします(a NHK programは×)。

このように、aかanかの区別は、続く名詞の最初の発音が子音ならaを、母音ならanを用いると覚えておきましょう。

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(Q23)「いつかは海外で勉強してみたいと言い続けて、まだ実現できていないんだ」はどう言いますか?

「実行しようと考えているけれど、まだできていないんですよ」という表現はどう言えばいいでしょうか。

例えば「いつかは海外で勉強してみたいと言い続けて、まだ実現できていないんだ」というような感じです。
(東京都 ぶらうん)



I've always wanted to study abroad someday but I haven't been able to yet.と言います

ご質問の文を2つに分けて解説しますね。

まず、前半の「いつかは海外で勉強してみたいと言い続けて」を英訳すると、I've been saying (that) I want to study abroad someday.となります。「〜してみたいと言い続けて」の部分は、<I've always wanted to+動詞の原形.>(ずっと〜してみたいと思っていた)に置き換えて表現するのも1つの方法です。応用力の高い構文で、ネイティブスピーカーがよく使います。これを使って前半を表すと、I've always wanted to study abroad someday.となります。

次に、後半部分です。「まだ〜できていない」という文は、現在完了形の否定文で表します。理解しやすいように、順を追って説明しますね。まず、「まだ〜していない」は、<I haven't+動詞の過去分詞形 yet.>と表します。これに、「できていない」というニュアンスを含めるには、「〜できる」という意味のbe able toを過去分詞形のところに入れます。beの過去分詞形はbeenなので、<I haven't been able to+動詞の原形 yet.>とします。これを使って「まだ実現できていない」を表すと、I haven't been able to do it yet.となります。全体で、I've always wanted to study abroad someday but I haven't been able to (do it) yet.となります。do itはstudy abroad somedayを指していますが、文脈から理解できるので省略しても構いません。

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(Q24)「It can be ...」はポジティブな表現ですか? ネガティブな表現ですか?

「It can be ...」という表現がありますが、イギリス人の先生は、主にネガティブな表現に使うと言っていました。アメリカ人の先生は、ポジティブでもネガティブでもどちらにも使うと言っていました。どちらが正しいのでしょうか?
(千葉県 ミチコさん)



用法は地域や個人により変わります

It can be .../ It can't be ...の用法については地域や個人による差があり、どちらが正しいということはないと思います。私はアメリカで英語を習得したので、個人的には、アメリカ人の先生と同じく、It can be .../ It can't be ...のいずれも使うというご意見に賛成です。以下、アメリカ英語の視点で解説しますね。

このcanは可能性を表します。can be 〜は「〜という可能性はある」、can't be 〜は「〜という可能性はない」という意味になります。特に否定文では、驚きや疑問を強調することが多く、「〜のはずがない」「まさか〜だなんてあり得ない」といったニュアンスになることもあります。この場合、会話ではcan'tを強く言います。

例えば、It can be a real diamond.は「それが本物のダイヤモンドという可能性はある」が直訳で、「それは本物のダイヤモンドかもしれない」というニュアンスです。いっぽう、It can't be a real diamond.は「それが本物のダイヤモンドという可能性はない」が直訳で、「それは本物のダイヤモンドであるはずがない」というニュアンスです。

このように、肯定文は「〜かもしれない」という控えめな考えを、否定文は「〜のはずがない」と自信を持って考えを述べるときに使います。

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(Q25)It must have been a hard experience for him to take.のto takeは必要ですか?

「〜だったに違いない」の例文で分からないところがあります。『英語で日記を書いてみる』に載っている、It must have been a hard experience for him to take.のto takeのところが分かりません。「大変な経験をした」ということで、「取った」という意味でto takeを入れないといけないのでしょうか?
(東京都 月さん)



to takeがあると、名詞がより具体化されます

拙著を読んでくださり、ありがとうございます。It must have been a hard experience for him to take.のto takeはなくても構いません。あると、名詞がより具体化されます。この文を区切って解説しますね。まず、It must have beenは「〜だったに違いない、きっと〜だったはずだ」という意味で、確信のある過去の出来事について使います。a hard experienceは「大変な経験、つらい経験」、for himは「彼にとって」という意味ですね。ここまでで、「それは彼にとって大変な経験だったに違いない」となり、to takeがなくても十分意味が通じます。では、このto takeがどのような働きをするかというと、experienceを具体化します。名詞の後に<to+動詞の原形>を付け加えることで、どんな名詞なのかをより詳しく表すことができるのです。理解しやすいように、いったん、booksを例に取って見てみましょう。例えば、books to readは「読むための本」となります。books to returnは「返却本」、books to throw awayは「廃棄本」、books to give awayなら「寄付用の本」です。

a hard experience for him to takeに戻りましょう。to takeがあることで、彼が経験をした身であることが明確になります。「ん? それのどこが具体的なの?」と思うかもしれません。次の状況と比較してみましょう。例えば、厳しい研修を受けさせてビジネス精神を学ばせる企業があるとします。部下に与えた試練が、上司(男性)にとって見るに見かねるものだった、という状況なら、It must have been a hard experience for him to give.となります。つまり、彼(上司)は経験をさせた身になるわけですね。

もっとも、身の回りのことを書くことが多い日記では、to takeを加えて具体的に表さなくても良いのですが、「どんな名詞か」をより明確にするときに<to+動詞の原形>が便利だということを覚えておくと、会話でも役に立つと思います。

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