英語お悩み解決part6


石原真弓先生

「石原真弓先生の英会話質問箱」より。

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(Q26)「天つゆに大根おろしを入れてください」は何と言えばいいでしょうか?

外国の方に日本食の食べ方を説明したいのですが、「天つゆに大根おろしを入れてください」は何と言えばいいでしょうか? 「このスープにこれを入れて食べてください」のように言ってもいいのでしょうか?
(福島県 まおさん)



Put the grated radish in this tempura sauce.と言います

「天つゆに大根おろしを入れてください」は、(You can) Put the grated radish in this tempura sauce.と言います。「天つゆ」はsoup(スープ)よりsauce(料理に付けたりかけたりする液状の調味料)を用いて、tempura sauceと表現するのが良いでしょう。天つゆが分からない外国人には、It's a special sauce for dipping tempura in.と説明するといいですね。「天ぷらを浸すための特別なソース」が直訳で、「天ぷら用のソース」といったニュアンスです。

天ぷらに天つゆ、塩、レモンを添えてお出しする場合は、You can enjoy your tempura with this sauce, salt or lemon juice.(天つゆ、塩、またはレモン汁で天ぷらをお召し上がりください)や、This sauce, salt and lemon are for the tempura. Each one will give the tempura a different taste.(この天つゆと塩とレモンは天ぷらにお使いください。さまざまな味をお楽しみいただけます)などと表現しましょう。

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(Q27) sickとillの使い分けについて教えてください

He has been sick.とHe has been ill.は同じ意味でしょうか?
 feeling sickと feeling illはどうでしょうか? 症状やその重さにより、どちらを使うべきか変わるのでしょうか?
(海外 ココナッツさん)



sickとillに意味の違いはありません

sickとillはどちらも「具合が悪い」「病気の」を表す形容詞で、意味の違いはありません。よって、He has been sick. / He has been ill.はともに「彼は体調が悪い(状態が続いている)」を表します。feel sickとfeel illにも意味の違いはありません。

傾向として、アメリカ英語ではsickが、イギリス英語ではillが多用されます。アメリカではillだと堅い英語に聞こえます。一方、イギリス英語でsickを用いるのは、「吐き気がする、ムカムカする」という意味のときです(アメリカ英語で「吐き気がする、ムカムカする」は、I feel sick to my stomach.のようにto one’s stomachなどの語句を加えて表します)。

最後にもう1点。「病気の〜」という意味で後ろに名詞が続くときはsick 〜のみが使われ、ill 〜とは言いません。例えば「病気の子ども」の場合、a sick child(○)、an ill child(×)です。これは、アメリカ英語、イギリス英語に共通しています。

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(Q28)例文中のpeopleがなぜ複数じゃないのか分かりません

中学2年生の問題で、“How many people are there in the living room? ”とあり、解答が“There are three people in the living room.”でした。この問題と解答のpeopleがなぜ複数じゃないのか分かりません。
(大阪府 ゆーさん)



peopleに-sを付けることができるのは、「(複数の)国民、民族」を表すときです

How many people are there in the living room?(居間に何人いますか?)に対する解答として、There are three people in the living room.(居間に3人います)は正しく、このpeopleは「(複数の)人、人々」という意味です。

辞書にはpeopleの複数形としてpeoplesが載っているので、なぜHow many peoples ...やThere are three peoples ...とならないの?と疑問に思われたのだと思いますが、peopleに-sを付けることができるのは、「(複数の)国民、民族」を表すときです。例えば、「アジア民族」や「アジア諸国民」などと言うとき、the peoples of Asiaと複数形のpeoplesを用います。アジアには、日本、韓国、中国、ベトナム、タイなど、いろいろな国民や民族がいるからです。

ご質問のpeopleは「国民、民族」ではなく、「(複数の)人」という意味ですね。このような場合はtwo people(2人)、ten people(10人)のようにpeopleに-sを付けないで用います。peopleそのものが「人」を表す複数形だからです。仮に、居間に「1人」しかいない場合は、There is one person in the living room.のようにone person(1人)を使います。oneは単数形なので、one peopleとは言えません。

※personの複数形にpersonsもありますが、堅い響きのため、ニュースなどでは好まれるものの日常会話ではpeopleを用いるのが一般的です。

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(Q29)<I'd say+動詞>は正しい使い方ですか?

あるテキストで<I'd say+動詞>で「〜するのが良いでしょう」というのを見ました。疑問に思っていろいろと調べてみたのですが、I'd sayの後は<主語+動詞>が続いている文例がほとんどで、上記のように直接、動詞が続く文を見つけられませんでした。上記の使い方は正しいのでしょうか?
(北海道 やっちんさん)



<I'd say+主語+動詞>とします

I'd say 〜.は控えめに意見を述べるときの「〜ではないかと思いますが」や「おそらく〜ではないでしょうか」といったニュアンスです。おっしゃる通り、通常は直後に<主語+動詞>を続けます。I'd say he's in his 30s.(彼は30代ではないかと思いますが)、I'd say it takes about three hours.(おそらく3時間くらいかかるのではないでしょうか)という具合です。

ある教材に、<I'd say+動詞>のパターンが載っていたそうですが、推測するに、<I'd say you should+動詞の原形>のyou shouldが、あるいは、<I'd say it'd be better to+動詞の原形>のit'd be better toが省略された形かと思います。
What should I do?(どうすればいいかしら?)やWhich would be better, to buy now or wait a few more days?(今買うのと、もう数日待つのとでは、どちらがいいかな?)などと聞かれて、I'd say (it'd be better to) buy now.(今買うのがいいんじゃないかな?)のように、it'd be better toやyou shouldを省略して答えた状況が考えられます。
このように、英語会話では、全文できちんと表さなくても文脈から意味が明白な場合、I'd sayの直後に(一部が省略されて残った)動詞が続くパターンを見掛けることがあるかもしれません。
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(Q30)「チームを辞めたいという私と続けたいという私がいる」はどう表現しますか?

「チームを辞めたいという私と続けたいという私がいる」と英語会話で日記に書きたいのですが、どう表現すれば良いのでしょうか。
「どうしようか迷っている」と同じ意味ではあるのでしょうが、できるだけ日本語に近い表現にしたくて質問しました。
(広島県 ウルトラの母さん)



There is a part of me that wants to leave the team and another part of me that wants to stay.と表します

自分の中に存在する2人の異なる自分について、「…したいという自分と〜したいという自分がいる」と表すには、There is a part of me that wants to ... and another part of me that wants to 〜.を使うと良いでしょう。
There is 〜.は「〜がいる」という意味で、このthatは「どんな私か」を表す関係代名詞です。
…や〜には動詞の原形を入れましょう。「チームを辞めたいという私と続けたいという私がいる」の場合、…にleave the teamを、〜にstayを入れて、There is a part of me that wants to leave the team and another part of me that wants to stay.と表します。
leave(〜を退団する)の代わりにquit(〜を辞める)を用いてもOKです。
また、stay(とどまる)の部分を次のような否定形にすることも可能です。There is a part of me that wants to leave the team and another part of me that doesn’t (want to leave).

なお、複数の名詞について「〜がいる・ある」と表す場合は通常、There are 〜.を用いますが、上記のように、名詞がandで結ばれた複数のとき、最初の名詞(ここではa part of me)が単数ならThere is 〜.を用いるのが一般的です。
そのため、2人の異なる自分について述べたこの文も、There is 〜.となっています。
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(Q31)海外ドラマを使っての勉強はどのようにすればいいですか?

海外ドラマを使っての英語勉強法がありますが、実際の英語のせりふと字幕、吹き替えでは多少違いがありますよね? だいたい合っていればいいと思って進めるべきか、徹底的に調べるべきか、どちらがいいのでしょうか? また、洋楽の歌詞はさらに抽象的なので、日本語訳がまるで違っていて戸惑います。
(山梨県 とんとのあさん)



リスニングに特化したり、使ってみたい表現のみを覚えたりしましょう

海外ドラマは、英会話の感覚をつかむのに適した学習ツールといえます。
状況が設定されているので、はっきりと英語が理解できなくても意味が想像しやすく、状況に応じた自然な表現を身に付けることができるといったメリットがあります。
しかし、各せりふの英語と日本語を照らし合わせながらきちんと学びたい人には、言語間で生じる表現のギャップに疑問が残るかもしれません。
ドラマや映画の字幕は、せりふの長さによって翻訳の字数が決まっています。
状況、役柄、その人の口調などを考慮しながら、翻訳者は巧みな日本語さばきで字数内に収めているのです。
例えば、英語で、I can’t do that.というせりふがあるとします。
これを「私にはそんなことできないわ」と直訳した場合、吹き替えだと15字、字幕だと13字になり、展開の早いシーンでは字数オーバーです。
しかし、「無理よ」と意訳すれば3字に短縮できます。
男性役なら「無理だ」と訳してもいいですね。
人によっては「できないわ」や「いやよ」と訳すかもしれません。このあたりの訳し方は翻訳者のセンスによります。

このように、英語ドラマや映画には独特の訳し方があることを念頭に置き、声のトーン、顔の表情、ジェスチャーなど、語学書からは学びきれない点に意識を向けて、英語を感覚的に捉えるよう割り切ってはいかがでしょうか?
 余裕がある人は、和英のギャップや英文の成り立ちを調べるとより効果的ですが、そうでなければ、細かな点を気にせず、リスニングに特化したり、使ってみたい表現のみを覚えたりするだけでもいい英語会話 勉強です。

また、洋楽は全体の世界観を大切にするため、英語と日本語とが全く異なる表現になっている場合が多々あります。歌詞に込められたメッセージに目を向けて、音楽と英語を楽しむといいですね。でも役に立つと思います。


(Q32)canとget toの違いは何でしょうか?
canとget toの違いは何でしょうか? 
どちらも「〜できる」の意味ですよね。
今、アメリカに住んでいるのですが、日本人だったらcanを使うところをアメリカ人はget toを使っているように思います。
(東京都 M. Davisさん)



get toは、「(そうする機会を得て)〜できる」「(そうすることが許されて)〜できる」のようなニュアンスです

canとget toはいずれも「〜できる」の意味で、後ろに動詞の原形が続く点は同じですが、ニュアンスが異なります。canの使い方は既にご存じだと思いますので、ここでは、get toの用法を中心に回答します。

アメリカで日常的に多用されるget toは、次のようなニュアンスを含んでいます。
幸運やタイミングに恵まれて、「(そうする機会を得て)〜できる」
特権や特典として、「(そうすることが許されて)〜できる」

1の例から見ていきます。
例えば、ショッピングモールへ行ったときにたまたま手品のショーをしていたとしましょう。
見事な手品で、思わず友達に話したくなったあなた。
そんなときに、I got to see a magic show at ABC Mall. It was great!(ABCモールで手品のショーを見ることができたんだ。素晴らしかったよ!)のように表します。
タイミング良くショーをしていて「見られた」からです。

2の例は、例えば、映画館で働いている人が、「私は(映画館で働いている特権で)全ての映画をただで見られます」と言うとき、英語会話では、I get to see all the movies free.と表現できます。
仕事で全国を飛び回っている人なら、I get to go to a lot of different places and enjoy the local food.(いろいろな所に行ってその土地の郷土料理を楽しむことができます)と表現することもあるでしょう。これも、仕事で得られる特権ですね。
また、兄弟でおやつを分けるときに、弟がお兄ちゃんに、You always get to eat more than I do. It's not fair
.(お兄ちゃんはいつだって僕より多く食べている(食べることができる)じゃないか。ずるいよ)のように使うこともできます。
これは長男の特権というところでしょうか。

get toにはこのようなニュアンスが含まれていることを意識しながら、周囲のアメリカ人が話す英語に耳を傾けてみてください。
英会話での、canとの違いがより具体的に見えてくると思います。

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(Q33)一緒に映画を見た相手に「Wasn't it the fantastic movie?」と言うときは、theを使いますか?

一緒に映画を見た相手に、「素晴らしい映画だったね!」と話し掛けるとき、お互いが知っている映画なので、「Wasn't it the fantastic movie?」のように、theを使うと思っていましたが、今勉強している本では、aを使っていました。
どうしてでしょうか?
英語は、aは、不特定で聞き手が知らない情報の前に付けて使うと思っていました。
(岩手県 あやちゃんさん)



Wasn't it a fantastic movie?とするのが正解です

「素晴らしい映画だったね」は、Wasn't it the fantastic movie?ではなく、Wasn't it a fantastic movie?とするのが正解です。お互いが知っている映画なのでtheを使うのでは?という視点で言うと、theが付くのはfantastic movieではなく、お互いの共通認識である「(一緒に見た)その映画」の方です。この文はthe movieをitに置き換えていますが、置き換えずに表すと、Wasn't the movie a fantastic movie?となります。a fantastic movieにaを用いる理由は、素晴らしい映画は他にもたくさんあり、一緒に見たその映画はそのうちの1つにすぎないからです。

何日かたってその映画のタイトルを忘れてしまったとしましょう。一緒に見た相手に、「(一緒に見た)あの素晴らしい映画のタイトルって何だっけ?」と尋ねる場合は、What was the title of the fantastic movie?とします。「(一緒に見た)あの素晴らしい映画」が共通認識なのでfantastic movieの前にtheを付けます。titleの前がtheなのは話題に挙がっている映画のタイトルと限定されるからです。

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(Q34)三単現の意味が分かりません

三単現の「三は三人称」「単は単数」「現は現在」の意味が分かりません。また、「三単現について説明しなさい」と言われたら、どう説明すればいいでしょうか?
(北海道 きれいなジャイアンさん)



“三単現”とは、主語が三人称で、動詞が現在形のとき、動詞に-sや-esを付けるルールのことです

「三単現」の「三」は何かと言うと、「三人称」の頭文字です。
一人称は、自分(単数)、あるいは、自分を含む複数のことです。
つまり、Iとweですね。二人称は、話し相手一人、あるいは、話し相手複数人を指します。
つまり、youのことです。
youは「あなた(単数)」「あなたたち(複数)」のいずれの意味にもなります。
三人称は、自分や相手以外の人のことで、he(彼は)やshe(彼女は)、they(彼らは)を指します。
人だけでなく、it(それは)やthey(それらは)も三人称です。三人称は、he、she、itが単数で、theyが複数です。

次に「現在」についてです。
likeやgoといった動詞の現在形を使って文を作るとき、動詞の末尾に-sや-esを付けることがあります。
例えば、「チョコレートが好きです」は、主語がI(私は)ならI like chocolate.とlikeに-sは付けませんが、主語がhe(彼は)やshe(彼女は)の場合はlikeに-sを付けて、He <She> likes chocolate.とします。

他の例文でも見てみましょう。
「私たちは大学に通っています」はWe go to college.とgoに-esは付けませんが、「彼は<彼女は>大学に通っています」の場合は、goに-esを付けて、He <She> goes to college.とします。
このlikesやgoesのように、動詞の現在形に-sや-esを付けた形が「三単現」と呼ばれるものです。
語尾を少し変化させてから-sや-esを付ける動詞もあります。
例えばhaveの場合、veを-sに変えてhasとし、cryはyをiに変えて-esを付けてcriesとします。

まとめると、「三単現」の「三」は「三人称」を、「単」は「単数」を、「現」は「現在」を指し、「“三単現”とは、主語がheやshe、itで、動詞が現在形のとき、動詞に-sや-esを付けるルール」のことです。

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(Q35)どの程度単数形と複数形の区別を厳格にしないといけませんか?

名詞の単数形、複数形の使い分けについて質問します。
名詞を使うときには辞書を調べて、CとUのマークで確認していますが、どの程度単数形と複数形の区別を厳格にしないといけませんか? 
数量に言及していない会話であれば、複数あったとしても、名称さえ知らせれば良いときは、単数にして構いませんか? 
それとも、対象が明らかに複数であると分かる場合は英語会話では、複数形を使わないと不自然でしょうか?
(神奈川県 chubbyさん)



ある程度は意識して使い分けた方が良いでしょう

単数・複数を誤って用いたとしても誤解なく伝わることが多いのですが、ある程度は意識して使い分けた方が良いと思います。例えば、犬が好きかどうかを尋ねる場合、頭の中に柴犬やプードル、レトリバーなど、さまざまな種類の犬を思い浮かべますよね。よって、Do you like dogs?と複数形にするのが適切です。一方、「犬を飼っていますか?」と尋ねる場合は、1匹の犬を想定するのが一般的なので、Do you have a dog?と単数形にします。「(どんな犬でもいいから)何か犬を飼っていますか?」という聞き方なら、Do you have any dogs?となります。

「曜日」は、単数か、複数か、無冠詞かによって、次のように意味が変わります。on a Sundayは「ある日曜日に」、on Sundaysなら「毎週日曜日に」、on Sundayは、文脈によって「この前の日曜日に」「今度の日曜日に」「日曜日はいつも」のいずれの意味も表します。

多くの抽象名詞は、数えられる名詞、数えられない名詞のいずれも可能です。漠然と「〜というもの」を表す場合は数えられない名詞、個々の状況や状態を指す場合は数えられる名詞として用いることが一般的です。例えば、experience(経験)の場合、「経験は宝だ」はExperience is treasure. となりますが、「アメリカ滞在中に素晴らしい経験をたくさんした」と具体的な経験を指すなら、I had a lot of wonderful experiences during my stay in America.となります。

Patience is virtue.(忍耐は美徳だ)はどうでしょう? これは、「忍耐=美徳」となり、忍耐が美徳そのものであることを表します。これを、Patience is a virtue.とすると、「忍耐は美徳の1つである」と、いろいろな美徳がある中で忍耐もその1つであることを意味します。

このように、単数・複数の使い分けは単純ではありませんが、辞書の英語会話の例文を読むなどして感覚を養っていくと良いでしょう。

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(Q36)断続的な行為の場合でも現在完了進行形を使いますか?

I've been using this dictionary since I was a freshman in high school.(この辞書を高校1年生のときからずっと使っています)は現在完了進行形になっています。use(使う)という行為ですが、その辞書をずっと使って(持って)いても、辞書を引くのは勉強しているときだけですよね。こういった行為が途切れる場合にも現在完了進行形を使うのでしょうか?
(愛媛県 MUさん)



継続状態にあれば現在完了進行形を使います

現在完了進行形の文は、今この瞬間にその行為をしている、していない、いずれの場合にも使うことができます。どちらの状況かは文脈で判断します。例えば、I've been using this dictionary for an hour. But I still can't find the meaning of this 'have.'(1時間この辞書を使っているけれど、まだこのhaveの意味を見つけられない)のような例では、今、辞書を使っていることになります。一方、本棚からボロボロになった辞書を取り出して、I've been using this dictionary since I was a freshman in high school. Look, it's worn out.(高校1年生のときからずっとこの辞書を使っているんだ。見て、もうボロボロだよ)と言った場合、今この瞬間に辞書は使っていないことを表します。後者のように、辞書を使っていない時間帯や時期があったとしても、全体的に見て継続状態にあれば現在完了進行形が使えます。仮にこれを、I've used this dictionary for an hour.と現在完了形で表すと、「1時間使っている」という継続の他に、「1時間辞書を使った(今終えた)」という完了の意味で捉えることもでき、どちらの意味かがはっきりしない場合があります。そのため、useのような「動作を表す動詞」を用いて「継続」の意味であることを明確にするなら、現在完了進行形の方が誤解なく伝わります。
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(Q37)「これからも仲良くしていただけるとありがたいです」はおかしいですか?

会って間もない友達に「これからも仲良くしていただけるとありがたいです」と言うとき、I'd appreciate it if you'd continue to get along with me.はおかしいですか?
(神奈川県 隆弥さん)



友達になれてうれしいという気持ちを表現しましょう

I'd appreciate it if you could continue to get along with me.は文法的に見て正しく、I'd appreciate it if you could 〜(〜していただけたらありがたく思います)は丁寧さが伝わる構文ですね。ただ、出会ったばかりの相手にこのような表現で「これからも仲良くしていただけるとありがたいです」と言うネイティブスピーカーは、そう多くいないと思われます。それは、「これからも仲良しでいる」ことに対する感謝より、うれしいという気持ちを表現するのが英語圏では一般的だからです(もちろん、相手との関係や立場にもよりますが……)。

このような状況では、I'd be happy if we could stay good friends.(<これからも>いいお友達でいられたらうれしいです)や、I'm very happy to have made friends with you. Let's keep in touch.(お友達になれて本当にうれしいです。これからも連絡を取り合いましょう)のように表現することをおすすめします。

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(Q38)断るとき、No, thank you.は良くないですか?

断るときなどに使う言葉、No, thank you.は、初対面の人にはぶしつけな感じがします。I'm good.やI'm OK.という言い方もアメリカではよく聞きますが、そちらの方が軟らかい表現なのでしょうか?
(東京都 sammyさん)



棒読みでサラッと言うと「いいえ、結構!」と偉そうに聞こえかねません

モノを薦められたり、申し出をされたりしたら、Yes, please.(はい、お願いします)やNo, thank you. (いいえ、結構です)で答えると習った人もいるのではないでしょうか? pleaseやthank youを付ければ丁寧な表現になるという知識から、No, thank you.を用いる人も多いと思います。しかし、No, thank you.を棒読みでサラッと言うと「いいえ、結構!」と偉そうに聞こえかねません。ぶしつけな響きを避けるには、Noを優しく、thank youに気持ちを込めて言うのがポイントですが、実はもっと有効な表現があります。それが、Thank you, but no thank you.です。まず、Thank you, but(ありがとう、でも)と前置きしてから、no thank youを続けることで、相手の好意に対するお礼を丁寧に表すことができます。

ネイティブがよく使うI'm good.やI'm OK.なども軟らかい表現です。これに、thank youやthanksなどのお礼表現を付け加えると、なおいいですね。A:Would you like more coffee?(コーヒーのお代わりはいかがですか?)B:I'm OK, thanks.(大丈夫です、ありがとう)という具合です。



(Q39)関係代名詞を省略できるときと、できないときの違いは?

関係代名詞のthatを省略できるときと、できないときの違いが分かりません。教えてください。
(大阪府 こまささん)



関係代名詞は、直後に<主語+動詞(助動詞)>が続いていれば省略できます

解説する前に、関係代名詞のthatを使った例文を見ておきましょう。
1. I want an electronic dictionary that can pronounce English
  words.
  英単語を発音してくれる電子辞書が欲しい。
2. I lost the electronic dictionary (that) I bought last month.
  先月買った電子辞書をなくしてしまった。

1、2はいずれも、関係代名詞のthat以降が「どんな電子辞書か」を説明しています。1は「英単語を発音してくれる電子辞書」、2は「先月買った電子辞書」ですね。関係代名詞を省略することができるのは、直後に<主語+動詞(助動詞)>が続いている場合です。1は、thatの直後がcan(助動詞)なのでthatを省略することはできません。2は、I bought(主語+動詞)が続いているのでthatを省略して、I lost the electronic dictionary I bought last month.とすることができます。このような文を見聞きしたとき、the electronic dictionaryとI bought ...の間に関係代名詞が省略されていると意識することが大切です。

省略可能な関係代名詞はthatだけでなく、人について用いるwhoも同様のルールです。
3. I have a friend who lives in Egypt.
  エジプトに住んでいる友人がいます。
4. She is a friend (who) I respect.
  彼女は私が尊敬している友人です。

3のwhoは直後にlives(動詞)が続いているので省略不可、4はI respect(主語+動詞)が続いているので省略可です。お分かりいただけましたか?

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(Q40)宿題のことを「分かっている」と言いたいとき、I know.は良くないですか?

英会話のレッスンで、イギリス人の先生が「来週の宿題分かってる?」と私に聞いたとき「I know.」と答えました。そのとき先生は、違和感のある表情をした気がしたのですが、宿題のことを「分かってる」と言いたいとき、I know.は良くなかったでしょうか? I understand.やI got it.などを使うべきでしょうか? Sure.も使えますか? または、ただYes.と言えば良かったのでしょうか?
(埼玉県 くま子さん)



言い方によっては誤解を与えてしまう可能性があります

来週の宿題について分かっているかどうかを聞かれて、I know.と答えるのは間違いではありませんが、言い方によっては誤解を与えてしまった可能性があります。I know.はIを強く言うと「そんなこと知ってるよ」といった響きになることが多いからです。knowを強く長めに言うと、「ほんと、そうですね」と同意や共感を表します。

Do you know 〜?と聞かれたら、Yes.またはYes, I do.と答えれば十分です。Do you know 〜?に対してI know.、Do you have 〜?に対してI have.、Did you eat 〜?にはI ate.のように、<主語+その動詞>と答える学習者がいるようですが、同じ動詞を繰り返さず、(Yes,) I do.や(Yes,) I did.のようにdoやdidを使うといいですね。

ちなみに、I understand.はちゃんと理解できたかどうか聞かれたときの「理解できました」、I got it.は依頼されたり、念を押されたりして「分かりました」「了解」と言うときに使うので、「宿題分かってる?」の答えとしては不向きです。Sure.はYes.の代わりとして使えます。

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(Q41)Don't keep the door open.とDon't leave the door open.の違いは?

Don’t keep the door open.とDon’t leave the door open.の違いを教えてください。
(山形県 摩周怜さん)



「ドアを(ストッパーを支うなどして)開けた状態にしておかないで」と「ドアを開けっぱなしの状態にしておかないで」の違いです

<keep A 〜>と<leave A 〜>はいずれも「Aを〜の状態にしておく」と訳すため、使い分けが難しく感じられますが、大きな違いは「なんらかの働き掛けがあるかどうか」です。<keep A 〜>は、Aを〜の状態に維持しておくための働き掛けが必要ですが、そういった働き掛けをしないでそのままの状態にしておくのが<leave A 〜>です。つまり、keep the door openは、ドアにストッパーを支う(かう)などの働き掛けをして開けた状態に保つことを意味しますが、leave the door openは既に開けっぱなしになっているドアをそのまま開いた状態にしておく、あるいは、入退室の際に開けたドアをわざわざ閉めず、開けっぱなしの状態にしておくといったイメージです。仮に、一度開けるとゆっくり閉まっていくタイプのドアの場合、keep the door openにすることは可能ですが、leave the door openは状況的に不可能ですね。

では、ご質問の表現を比較してみましょう。Don't keep the door open.は、「ドアにストッパーを支うなどして開けた状態にしておかないで」→「無理にドアを開けておかないで」、Don't leave the door open.は「開けた(あるいは、開いている)ドアをそのままの状態にしておかないで」→「ちゃんとドアを閉めてね」というニュアンスです。


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(Q42)I think that English is difficult.という文を音読するとき、thatの前と後のどちらで区切りますか?

I think that English is difficult.という文を音読するとき、次の@とAではどちらの区切り方が正しいですか? @ I think that (間) English is difficult. A I think (間) that English is difficult.
私は@のように読みますが、先生は「thatは接続詞だから、thinkでいったん切れ」と言います。でもそうすると、「私はあの英語は難しい」となってしまうように思います。
(兵庫県 78さん)



I thinkで一呼吸置いて、that English is difficult.とします

一般的な文法のルールに従って区切る場合、A I think (間) that English is difficult.のように、I thinkで一呼吸置いて、that English is difficult.とします。なぜなら、that English is difficult(英語は難しいということ)が意味上の一固まりだからです(このthatは「〜ということ」の意)。しかし会話には、絶対にここで区切らなければいけないというルールはありません。例えば、I think ... と言ったものの、自分の考えをまとめきれていない場合は、I think thatまで言い、その後にuh ... (えーと)などで間をつなぐこともあります。この場合、thatを先に言っておくことで、「これから考えを述べますよ」というメッセージになるからです。

まとめると、音読練習の際はI think (間) that 〜、会話では、話をする時点ですでに意見がまとまっていれば、I think (間) that 〜、意見がまとまっていなければ、I think that (間) 〜で一呼吸置くことがあると覚えておきましょう(もっとも、文章が短ければピリオドまで一気に言うのがベストですが)。

ちなみに、I think that English is difficult.が「あの英語は難しい」を表す場合、thatを強調気味に言います。「〜ということ」を表すthatは弱く言い、省略されることもあります。


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(Q40)宿題のことを「分かっている」と言いたいとき、I know.は良くないですか?

レッスンで、イギリス人の先生が「来週の宿題分かってる?」と私に聞いたとき「I know.」と答えました。
そのとき先生は、違和感のある表情をした気がしたのですが、宿題のことを「分かってる」と言いたいとき、I know.は良くなかったでしょうか? I understand.やI got it.などを使うべきでしょうか? Sure.も使えますか? または、ただYes.と言えば良かったのでしょうか?
(埼玉県 くま子さん)



言い方によっては誤解を与えてしまう可能性があります

来週の宿題について分かっているかどうかを聞かれて、I know.と答えるのは間違いではありませんが、言い方によっては誤解を与えてしまった可能性があります。
I know.はIを強く言うと「そんなこと知ってるよ」といった響きになることが多いからです。
knowを強く長めに言うと、「ほんと、そうですね」と同意や共感を表します。

Do you know 〜?と聞かれたら、Yes.またはYes, I do.と答えれば十分です。
Do you know 〜?に対してI know.、Do you have 〜?に対してI have.、Did you eat 〜?にはI ate.のように、<主語+その動詞>と答える学習者がいるようですが、同じ動詞を繰り返さず、(Yes,) I do.や(Yes,) I did.のようにdoやdidを使うといいですね。

ちなみに、I understand.はちゃんと理解できたかどうか聞かれたときの「理解できました」、I got it.は依頼されたり、念を押されたりして「分かりました」「了解」と言うときに使うので、「宿題分かってる?」の答えとしては不向きです。
Sure.はYes.の代わりとして使えます。

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(Q41)Don't keep the door open.とDon't leave the door open.の違いは?

Don’t keep the door open.とDon’t leave the door open.の違いを教えてください。
(山形県 摩周怜さん)



「ドアを(ストッパーを支うなどして)開けた状態にしておかないで」と「ドアを開けっぱなしの状態にしておかないで」の違いです

<keep A 〜>と<leave A 〜>はいずれも「Aを〜の状態にしておく」と訳すため、使い分けが難しく感じられますが、大きな違いは「なんらかの働き掛けがあるかどうか」です。
<keep A 〜>は、Aを〜の状態に維持しておくための働き掛けが必要ですが、そういった働き掛けをしないでそのままの状態にしておくのが<leave A 〜>です。
つまり、keep the door openは、ドアにストッパーを支う(かう)などの働き掛けをして開けた状態に保つことを意味しますが、leave the door openは既に開けっぱなしになっているドアをそのまま開いた状態にしておく、あるいは、入退室の際に開けたドアをわざわざ閉めず、開けっぱなしの状態にしておくといったイメージです。
仮に、一度開けるとゆっくり閉まっていくタイプのドアの場合、keep the door openにすることは可能ですが、leave the door openは状況的に不可能ですね。

では、ご質問の表現を比較してみましょう。Don't keep the door open.は、「ドアにストッパーを支うなどして開けた状態にしておかないで」→「無理にドアを開けておかないで」、Don't leave the door open.は「開けた(あるいは、開いている)ドアをそのままの状態にしておかないで」→「ちゃんとドアを閉めてね」というニュアンスです。


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(Q42)I think that English is difficult.という文を音読するとき、thatの前と後のどちらで区切りますか?

I think that English is difficult.という文を音読するとき、次の@とAではどちらの区切り方が正しいですか?
 @ I think that (間) English is difficult.
 A I think (間) that English is difficult.
私は@のように読みますが、先生は「thatは接続詞だから、thinkでいったん切れ」と言います。
でもそうすると、「私はあの英語は難しい」となってしまうように思います。
(兵庫県 78さん)



I thinkで一呼吸置いて、that English is difficult.とします

一般的な文法のルールに従って区切る場合、A I think (間) that English is difficult.のように、I thinkで一呼吸置いて、that English is difficult.とします。なぜなら、that English is difficult(英語は難しいということ)が意味上の一固まりだからです(このthatは「〜ということ」の意)。しかし会話には、絶対にここで区切らなければいけないというルールはありません。例えば、I think ... と言ったものの、自分の考えをまとめきれていない場合は、I think thatまで言い、その後にuh ... (えーと)などで間をつなぐこともあります。この場合、thatを先に言っておくことで、「これから考えを述べますよ」というメッセージになるからです。

まとめると、音読練習の際はI think (間) that 〜、会話では、話をする時点ですでに意見がまとまっていれば、I think (間) that 〜、意見がまとまっていなければ、I think that (間) 〜で一呼吸置くことがあると覚えておきましょう(もっとも、文章が短ければピリオドまで一気に言うのがベストですが)。

ちなみに、I think that English is difficult.が「あの英語は難しい」を表す場合、thatを強調気味に言います。「〜ということ」を表すthatは弱く言い、省略されることもあります。


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(Q43)There isとThere areの使い方について、単数名詞をいくつか列記する方法は?

There isとThere areの使い方について質問します。There areの場合は複数名詞が続きますが、単数名詞をいくつか列記する際はどうしたらいいのでしょうか。例えば、There is / are a tree, a road and a church in the street.の場合は、isとareのどちらを使いますか?
(岩手県 sattonさん)



単数名詞をいくつか列記する場合は、複数なのでThere areを使います

不特定のものや人について、「〜があります」「〜がいます」と言うときのThere is / There areは、続く名詞が単数なら<There is a+単数名詞.>、複数なら<There are+複数名詞.>と表します。
There is a library near my house.(うちの近くに図書館があります)、There are some cookies on the table. Help yourself.(テーブルの上にクッキーがあるから食べてね)という具合です。
このルールに従うと、a tree, a road and a churchは3つのもの、つまり複数なので、There are a tree, a road, and a church ... とするのが文法的に正しいのですが、andで結ばれた複数の名詞は、最初の名詞が単数ならThere is、複数ならThere are にすることが会話ではよくあります。
a treeは単数なので、There is a tree, a road, and a church ... としてもOKです。
仮に、木が複数本ある場合は、There are trees, a road and a church ... となります。

ご提示の文はroadとstreetで「道」が重複しているので、There is a tree, some flower beds and a church on the road.(その通りには木が1本と花壇と教会があります)のようにするといいですね。
streetは両側に建物が立ち並んだ「道」を指すことが多く、roadは建物を意識しない「道」を指します。
また、in the streetはイギリス英語で、on the streetはアメリカ英語で多用されます。
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